ケイ酸はイネにとって鎧(よろい)の役目
水稲に必要なのはN(窒素)P(リン酸)K(カリウム)だけじゃない。
暑い日は植物もグッタリ。でもケイ酸があると・・・
水稲は「ケイ酸植物」といわれるほど、水稲にとってケイ酸は重要な役割を持っています。
ケイ酸の施用効果は、◎光合成能力の向上 ◎根の酸化力の向上 ◎病害中への耐性向上 ◎耐倒伏性の向上などがあり、収量・品質・食味の向上に寄与します。
本書ではケイ酸がイネの生育に影響するメカニズムを解説し、近年増加している気象災害への対策としても有効であることを示しています。
4.ケイ酸の役割と効果発現メカニズム 5.水稲によるケイ酸吸収の特徴
6.ケイ酸による光合成促進要因 7.食味・収量向上に対するケイ酸の役割
8.乾物生産に対する窒素とケイ酸の関係 9.ケイ酸質肥料の施用技術
水稲の光合成を向上させるにはケイ酸が不可欠です。
着生した籾の登熟歩合や千粒重を高めるには、夏の晴天時に見られる光合成の午睡が少ないことが一つの条件になります。
光合成の午睡とは、葉身の光合成速度が午前に比べて午後に低下することで、人間でいうと午後に睡眠して活動していない状態を意味します。
光合成の午睡の少ない稲体の形成が重要で、登熟歩合を高め、千粒重、登熟歩合および食味の向上に結びつきます。
物理的には、ケイ酸が稲体のペクチン、ヘミセルロース、リグニンなどと結合して厚い層を作りがっちりと強固になります。
生理的には、ケイ酸施用により光合成能が向上して糖やアミノ酸といった一次代謝物質の生成が増加し、そこからストレスに対応した二次代謝物質が生成されます。
3PGA、GABA、グルタチオンは高温ストレスに関連があると考えられています。
光合成の仕組みを工場で例えてみると、工場(葉緑体)を動かすのは光エネルギーです。日照不足になると光合成の工場の働きが弱くなります。
光合成は昼間に行われますが、呼吸は24時間行われています。
夜間は昼間に光合成で作ったデンプンが稲体に転流されますが、夜温が高いとイネの呼吸が活発になりデンプンの消費量が多くなります。
穂や根に送り込むデンプンの量が少なくなり、登熟不足や未熟粒発生の原因となります。






